― 世界樹・休憩場 ―
[神官長からの伝令を見落とさぬようにと、
常に目に入る位置に置いていた言霊石が鈍く光を帯びる。
二本の指先で軽く爪弾き、耳を押し当てた。
ほどなくして石を通じ、ルートヴィヒの声が届く。]
翼人さんに協力を?
……ああ、それはとても有難いですね。
食事はともかく、俺も着替えは欲しいかな。
汗かいちゃって。そりゃもう。
や、俺は見てるだけなんですけど!それでも…ですよ。
[懸念事項の幾つかは解消されそうだ、と
表情は見えずとも安堵は声に滲んだろうか。
速ければ、戦闘試練を終えた候補生たちの元に
もう翼人が物資を手に訪れているかもしれない。]