[ 少年は独り、見知らぬ土地へと降り立った。
知人も誰も居ない地で、少年は生き延びた。
生き延びなければならなかった。
自分が宇宙船の運転士になって、助けが間に合わない――
同じような思いをする人を、二度と出さないようにと意思を秘めて。
少年は運良く早急に保護され、施設で育つこととなる。
幼い頃から頭の出来は良く、シルバー・メリー号の試験にも一発合格。
今現在運転士にこそ就いていないが、夢の一つは叶ったのだ。
2年前に、故郷を思い出す星に降り立つことになる。
同時に再び故郷の星について調べることにする。
この時、母星が宇宙連邦から除名されていた事実を初めて知る。
除名されていなければ、救援も増えていたのだろう。
両親も友人も無事だったのかもしれない。
嘆いても彼らの命が戻る訳でも無い。
それでも、残された身として後悔が消えることは一生無いだろう。*]