[シュナウザー・ロイヴァス。フィオレンザより二年先輩の騎士だった。髪を切り男と同じように振舞う少女の事を、彼だけはフィオンと呼ばなかった。己はフィオンでいいのだと主張する自分に、やんわりと親から貰った名前を大事にしろと言う。]「花の盛り、という意味なんだろう。いい名前じゃないか。」…私には似合わない。「そんな事はないよ。良く似合ってる。」[そう微笑む姿にそれ以上言葉を継ぐ事が出来なかった。不思議と彼に呼ばれるのは抵抗がなく。]