んん……もう、着いたんですか?[デッキに備え付けられた椅子に座ったままいつの間にか眠っていたらしい。男は誰かに声をかけられて微睡みから現実に戻る。顔を上げれば甲板の向こうに広がる海はまだ果てしなく、島にはまだ着かないようだ。寝ぼけ眼のまま差し出された紙を受け取り書面に目を落とす。]ああ…、【入島に関する事前承諾書】でしたっけ。[ごそごそと懐を探れば万年筆を取り出して承諾書を上から下まで読み込むと、「オズワルド・オブライエン」と慣れた手つきで【署名をした】。]