― 地下水路牢獄 ―
[牢獄の奥深く、生ける屍が二体、死せる屍が一つ。
首を刈られた屍骸の上へと、闇から染み出たのは高貴な気配を纏った吸血鬼。
もう一人、人の姿になった"兎"が血塗れた唇を舐めると、鎖が軋む音を立てる]
あハ、こんばんハ?
嬉しィナ。腹ペコで朽ちル前にぃ、寂しクテ死ンじゃうかと思ッタ♡
[身を捩るようにすれば、耳障りに軋む声と重なって金属も鳴る。
両腕と両足を厳重に拘束された芋虫めく姿で、受刑者は笑う]
ネ、評議会から来タんだ?出しテくれるノ?
お願イオ願い、モウこんナとこ嫌だヨ
許シテ出しテ?
[元老吸血鬼の足元へ、媚びるように身を擦り寄せた]