─ 平原 ─
[こちらが向けた言葉に、バルタからはどんな反応が返ったか。
それに応じて声を返した後、ふ、と表情を変えて]
今から言うは王国の、ではなく俺個人のみの勝手だが。
此度の戦、俺達が兵を挙げたのはゼファーにカーマルグを占有されては敵わぬからだが。
カーマルグにゼファーが力を貸してくれれば心強いとも、思う。
[告げたのは、計算抜きの素直な思い]
ゼファーの武の高さは賞賛すべきものだ。
そちらには思う所もあるだろうが、王国には得られぬその武、羨ましく思う。
貴殿らに武では敵わぬとは王国としても分かり切っていた。
だからこそ、我らは武を以て貴殿らと同じ舞台に上がる誠意を示したつもりだ。
貴殿らがカーマルグを欲するに、察する所もある。