─ プラメージ王国野営地 ─
[ミヒャエルの亡骸を配下が運ぶのを見届け、自身は一旦後にした野営地に戻り傷の手当をする事にした。
とはいえ、斥候と思われる敵兵は殆ど逃げ果せてしまった。
悠長にしている暇はないと、手早く片付ける事にして]
誰か、食糧庫から安酒を持って来て下さい。
飛び切り強いのを頼みます。
[言いながら、槍に裂かれた袖を千切り取り、傷を露わにする。
けして浅くはないが、闇雲に振るわれていただけが功を奏したか抉られてはいない。
流石にこれが武器を持つ手だったらまずかったが、左腕を防御に使う癖をつけていて助かった。
これならば傷を塞げば動かすにも支障は無さそうだ。
差し出された布を傷口に当て、止血を試みている間に頼んだ酒が届いて]