― 中層 ―
[ やがて中層まで戻ると、トーマスの部屋を探して訪ねてみたり(抱いたまま訪問しようとしたのは、クラリッサに拒否られたかもしれない)そこにシルキーも居たなら、少しは話も出来たろうか ]
『虚無』てのは、全てを無に返そうとするものだって聞いてる。
だが、俺達は無くしちゃいけないものを持ってる筈だ。多分、それが...
[ 強大な敵に対する一番の武器になるのだろう、と、男がそう口にしたのは、クラリッサを部屋へと送った時のこと。
その右手には、深く澄んだ紫水晶が命宿すかのように煌めいている** ]