― 宿屋談話室・早朝 ―
[昨日の出来事を改めて説明したとき、疑問を呈したオットーを黙ったまま見つめる。ペーターと共に過ごした家族の考えを確かめるために。]
そうだな。確かにオットーが言う可能性について、否定できる材料は提供できない。
[話>>1を最後まで聞いて、感情を見せないオットーに感化されたように殊更淡々と返答する。]
俺はペーターの告白だけでなく、ジムゾンが”疑うなら疑いなさい。”>>2:313と告げたときの様子から総合的に判断して、ペーターがジムゾンを陥れたとの考えに至った。両方見ていないお前に、そのときの空気を含めて正確に伝える話術は流石に持っていない。
従ってオットーが、”ジムゾンはペーターを襲った。”と主張しても仕方がないと思っている。
[ペーターと双子であるもう一人の少年の名前は何だろうか。今となっては確かめる術はないし、自分にとって一緒に過ごした少年はペーターであるから、そのまま名前を呼び続ける。
ただ、オットーがジムゾンについてペーターがした嘘の証言を、一部でも違う可能性があると言い出したことにほっと安堵している。]