[敵艦からの応答は当然ながら白旗ではなく、主砲の轟音だった。>>2:483
シュヴァルツアインの三本煙突のうち艦首寄りの煙突の上部が捥ぎ取られる。
破片は艦橋にも降り注いだ。
「司令塔へお入りください」と参謀が促すのを拒み、アレクトールは艦橋に立ち続ける。]
このまま敵戦艦の移動方向へ進め。 同航戦だ。
[後退する艦との同航戦など前代未聞であろう。
明確に速度の差があるから、敵旗艦の船尾に回り込むことを目指す。
意識的には包囲戦にも近い。
いずれにせよ敵旗艦を射程から逃がすつもりはなく、単純計算にして3倍の主砲が順次、発射される。]