[瑠璃の仔龍の導きに従い、駆けた先を満たすのは黄昏色の光]
……あれ、って。
[浮かぶ球体に惚けた声を上げれば、仔龍がきゅー、と鳴く。
黙って見てて、という言葉に口を噤み、そこに広がるものをじっと見た]
……すげ。
[色彩と光、闇と影の乱舞。
その果てに、透き通っていく球体が花開くが如く綻んで]
あれ……って。
[現れた琥珀色の姿に、瑠璃の仔龍がきゅう、と鳴く。
あたらしいこ、と響いた言葉の意味が理解に落ちるまではさしてかからず]
そっか……ちゃんと、うまれたんだ。
[零れた呟きに重ねるように、瑠璃の仔龍がきゅー、と、挨拶でもするように高く、鳴いた。*]