流石に、この姿では拙いというもの。
少しばかりお時間をくださいませ。
[今の自分は一糸纏わぬ姿だ。これからの謁見にドレスとは言わないが、いくらなんでもこのまま向かうわけにはいかない。先ほどまで着ていた衣服を見やる。幸い衣服は少し伸びてはいたが、汚液は付着していなかった。
安堵して衣服――下着とフードは引きちぎられていて諦めたが――を身に付ける]
(……? なんだか、少しちくちくしますわね)
[何か肌にあたるものがある。とはいえ、招待されているのに待たせるわけにもいかない。
急かす様にくるくる舞うコウモリを微笑ましく思いながら、コウモリの後をついていく]