[ああ、やはり覚えているのだろう。目の前の”ドロシー”は慰みめいた言葉を言う。>>6] 赦しはいらない。 君がそう口にしてくれても罪が消えるわけではない。 ……前世の罪を、俺の罪と勘違いするほどに 悲劇の主人公を気取りたいわけでもない。[罪を償いたいわけでも許して欲しいわけでもない。ドロシーを、トールという青年を喰らった。罪のない少女を死に追い込んだ。抵抗しなかった青年を殺した。切れ切れに思い出す記憶が、ばらばらとピースがはまるように今まで輪郭しかなかった絵を作り上げて行く。]