― シュビト郊外 ―
[帰還するなり、低頭するフィオンならびに配下の兵たち>>1:727。
その振る舞いは、さすが王府直属の騎士団と賞することの出来る統率の取れた慎み深いもの。
謝罪を向けられた巫女姫は、
静かに佇みながら、その報告を最後まで聞く。
南部の貴族が不穏な動きを企んでいたというのは新たな情報だった。
懸念すべき材料の追加は――だが、予想出来た事態でもある。
北部に比べ、南部は王府の目が行き届かないところがあり、
それだけに独自の行動をする諸侯が多い。
首都に程近いオプティモの
それより更に離れた地に暮らす者が、もっと伸び伸びと好き勝手しているのは、良し悪しは別として当然のことなのかもしれない。
勿論。
それだけ王府の求心力が落ちて、地方の貴族諸侯の力がより強力になっていることの証でもあろうけれど―――]