[>>0:409 大天使の使いだ、などと嘘をつき。
戦に赴く若い天使のために、加護の腕輪を作ってくれないかと適当な依頼をして。
完成した品を受け取った後も、たびたび工房を訪れては、
決して仕事の邪魔はしない事を約束し、作業に打ち込むオズワルドの姿を時間が許す限り眺めていた。
ただ黙々と作業をする姿を堪能し、その手から
精細な透かしが施された装飾具が生み出されるのを、
眺めている間。
当初、無口な性格の彼とは言葉を交わす事も、殆どなかったが。
それでも徐々に短い質問と応答を繰り返し。
少ない言葉を互いに投げ合うやりとりが、当たり前のようになった頃。
不意にオズワルドが、俺に問いかけた。
”天使を飾る事を如何考えるか”――と]