[それぞれに事情を抱えた二人と別れ、塔の町の門を出ようとした時、世界の圧が強まった気がした。それが、魔王による魔界封鎖と、この時点で気づくものではなかったけれど── 一段とのっぴきならないものに覆われた感触に、額を拭う。湿って落ち掛かった髪は、それまでの光沢を失って、鈍い鉛色に変じていた。爪の先も、ほのかに藍をさしたように染まっている。] …思ったより、 早いか。[ひとつ息をついて踏み出せば──導かれた先は、>>0:#0の6(10x1)]