[本来の禍々しくも偉大なる体躯を脱ぎ捨て、身軽な格好でくつろぐ魔王の周囲には、何体もの天使が侍っていた。
魔王の足を揉むものもいれば甲斐甲斐しく酒食を運ぶものもいる。
天井から鎖で吊られ、己の発する光輝をもって照明の役割を果たすものもいれば、武器を持ち、騎士然として背後に控えるものもいる。
これらすべて、魔王より印を授けられ、身も心も捧げた天使たちだった。
魔王の天使たちは、全て彼らが望むように過ごしている。
これよりここに集められる天使たちがどのように変容するのか、
魔族たちがそれをどのように愛でるのか、実に楽しみなことだ。**]