亡国の将軍 ヨセフ

[深淵にも似た闇の中、黒を纏い、黒に跨る男は金の背を眺む。
北方を見遣るその背越しに、男も滅びし故郷に想いを馳せた]

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[王である兄やその家族、王族とされる者達は皆命を落としたと聞いている。
将軍として前線に在った男を除いて。
男の家族も例外ではなく、未だその安否の確認は取れていない]