――シルバー・メリー号船内――
[シルバー・メリー号の船員として配属され早数ヶ月。
私は第二エリアのサポート業務担当に割り当てられました。
一部の成績優秀な同僚は、最重要エリアである第一エリアへ配属されました。
第一エリア配属はクルー達の憧れと言われていましたが、憧れはあれど、羨ましさや妬ましさを感じることは特にありませんでした。
それに、第二エリアは数多くのお客様と直接触れ合うことが出来る場所なので、毎日毎日が発見の場で、とても楽しいのです。
お客様がシルバー・メリー号を褒めて下さると自分のことのように嬉しいですし、「ありがとう」と笑顔で言ってもらえることは、どんなお薬よりも心身の疲れを吹き飛ばす効果があります。]