[ちら、と気付かれないよう横目に大河の表情を窺う。絵に描いた優等生の大河にとって、ペアを組んでいる素行の悪い自分はお荷物になっていないかが酷く不安だった。と言っても喧嘩こそすれ、授業をサボったり飲酒や喫煙もしない、ただ外見が派手なだけで自称不良にしかなっていない事実に気付いていないのは本人だけだろう。]新幹線って、はえーよなー……。[間が持たず、棒読みに近い声音でそう告げる。これだけ速ければ──…なんて、頭を過ぎった馬鹿馬鹿しい考えを、首を振って掻き消した。]