人狼物語−薔薇の下国

483 翠龍幻霧 ─天霊遺跡封印行─


嵐激の騎竜師 カーク

『……それは、否定すべくもありません』

[間を置いて、紡がれたのは小さな声]

『…………私のみでは、彼の焔を抑えきれぬのも…………』

[わかっています、と。
消えそうな声で紡いだ後、真白の獣はふるり、と身を震わせた。
剣を受けて罅の入った角が揺れ、直後、それはぱきり、と折れる]

『……必要ならば、治癒に用いなさい。
 支度が済んだなら、狂焔の門を開きます』

[静かな声でそれだけを告げると、真白の獣は目を閉じてその場に伏せた]

……ったく。
この、意地張りが。

[その様子に零れ落ちたのは、呆れたような嘆息、ひとつ。*]

(7) 2017/08/11(Fri) 01:09:27

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