っ……――
[あまりにも息苦しい《聲》に両膝をついた。
ああくそ。狙われてないってわかるのに、あまりにも強い音に、恐怖すら覚えてしまう。
無意識に呼吸が浅くなる。怖い、息苦しい――。
大丈夫だ。落ち着け。相手は死んだ。こちらを狙うことはない。
そう自分に言い聞かせ、やっとの思いで落ち着けば、冷や汗を拭って今し方命を奪った相手を見やった。]
……乱暴ですまなかったな
おやすみ、オズワルド――いや、ウォルター
[地面を赤色に変え、安らかな顔をして横たわっている彼>>3:384に、聞いた本名>>3:379で呼びかけた。
自分の名前がわからないと言っていた>>3:362が望むのは、偽名じゃなくて本名だろうと。
最後の最後で何かと戦っていたのは、荒げた声でよくわかった。
恐らく、《ボス》というのは脳内にいた人狼のことだろうと推測は付いた。
“やっと開放されたんだ。よかったな”とは言えなかった。
やり方があまりにも乱暴すぎた。その自覚があるために。
刀を鞘に戻して壁際に寄りかかると座り込み、煙草に火を点ける。
人を殺した罪悪感を、飲み込むために。今はまだ、止まってられないから。]