― いつかの出会い ―[彼が家督を継いだ頃。自分はといえば、父の剣術の鍛錬が激化して、友と会う機会がだいぶ減っていた。勿論、会わずとも言葉は交わせるから、それが寂しいというわけでもなく。父から多くを学べるのは純粋に嬉しかった。ただ──それでも。声のやり取りの中、友が楽し気に語る自分の知らぬ相手の話が少しだけ面白くなかったのは、事実だった。だから、自身も軍属を決めて。軍学校で彼と最初に顔を合わせた時に、取った行動はといえば]