[先程持っていないと告げられたダーフィトの声に、今になって改めて、片手で礼を返し、自分も医務室に行くと告げる。>>2
先程の議論の様子を見れば、場を導いているのは概ね彼だと、把握していたので。
投げられたが使わずに床に落ちた白衣を拾い上げれば、ついでだから持って行くかとそのまま手に持って。
そうして最後に、救急セットを手渡してくれた男、ハダリーに視線を向けて]
助かった。
[ふと――…
全身が機械であると聞かされた彼が、何故人間用の救急セットを持っていたのか、
そのような疑問も頭を掠めたが。
この状況下、誰かのため何かのため、用意してあることもあるだろうか、
今聞くべきことはそれではない、と、思考の隅へと追いやり。
助かったことは事実なので、素直に礼を。]