人狼物語−薔薇の下国

168 グラムワーグ・サーガ


魔王 テオドール

― カレン南方 ―

[ 黒い波のような魔軍は、粛々と……とは行かず、騒がしく乱れながら引き始める。
 ……それはさながら、津波の前に潮が引くような様子で。
 やがて、カレンから数時間南方に下った、魔軍が野営していた場所に、
 禍々しい駐屯基地が建設され始める。

 主な顔触れはおなじみのゴブリンやオーク。
 周囲をうろつくのは屍鬼。
 そして、その更に周りの森の暗がりには、不用意に近づく人間を連れ込み食らわんと、ブラックドッグが潜んだ。 ]

 部隊を道中で切り分けて残し、軍を徐々に軽量化しながら駆ければ、
 モーリスまで半月で戻れるだろう。
 どの道、再び征く道だ。
 
[  鉄の張られた、重厚な馬車の中。
 そう目算し、テオドールは戦争中は中断されていた政治報告へ目を通す。 ]

(7) 2014/04/04(Fri) 00:52:07

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