[握り込んだ掌に、鋭い爪を喰い込ませ、力の源たる血を少しずつ流し出す。――できれば、息子の昔馴染みを、その眼前で傷つけたくない。大人しく封じ込まれてくれる相手には見えないが。どう手を打つべきか巡らせる思考が、息子の声に殺がれ>>3:264] ……、何驚いてるの? 退屈してたって言ったでしょ。[視線は男に据えたまま、歪めた口端で応える]