ふ…[ なんとか翼を動かそうとしたが、背に食い込んだ矢尻のもたらす痛みが走っただけで、羽ばたく事は叶わない。どうやら、武器に与え続けた気が尽きたらしい ]お前達……[ 今は縺れ合うように落ちる相手の腕を辛うじて掴み、掠れた声をあげる ]強いな。[ 笑みを浮かべ、告げてから ]華炎…![ 僅かに残った最後の力を小さな炎に変える。敵手に向かうこともできず、右手の中で燃えあがった火炎は、纏った氷の風と混じり合い、小さな花火のように弾けて、男の体を突き放す力に変わる ]