[書かれている文字を追いながら、アンプルをもう一度見つめる。
病気の進行を止める薬の存在をカスパルは知らなかったが、軍が最先端の研究を行っているのは明らかであったし、フィオンが嘘をつく理由もない。
手紙は丁寧に書かれており、フィオンの人柄が伺えるようだった。]
……あなたはどうしたいんだ。
[読み終えた手紙を丁寧にたたんで、ドロシーへ差し出す。
カスパルが彼女に代わり決定を出すことはできない。
これはドロシーの選択だ。
彼女が何か言葉を発するのを待ちながら、ぬるま湯を用意して血液を落とす準備を整えた。*]