まさかとは思うが、双角……っ![言いつつ、巡らせた視線は、草原の中央に陣取る巨躯で止まる。ねじれた二本角を備えた獣──漆黒の二角獣。それは本来瞳にあるべき理知のいろを忘れたが如く、狂的な光を宿していた]……ち……当てられちまってんのか? 厄介な……。[がじ、と後ろ頭を掻きながら、漏らすのは苛立ちを帯びた声、ひとつ]……どーやら、この異変、思ってたより根深いらしい。双角……守り人たる地の神徒が、正気を失ってる……ってわけで。