[くん、とひとつ鼻を鳴らすと、彼の背が震えるのを見た。 彼ほどの術者であれば大気を動かすことも不可能ではないだろうが、此処で消耗を強いるのは得策ではない。] 良い、魔王様も随伴を御所望だ。 ただ…………、[彼が飛行出来ないのであれば、その首根っこを咥えて連行しようと目論んでいた。なにせ王そのひとなら騎馬として扱われても不満はないが、基本的に他者を背に乗せるには矜持が邪魔をする。]