―0日目・AM11:00・エントランス―
……よしよし。もう戻っていいよ。
[案内状に示された建物の前、四肢に炎を纏う虎のような獣の背から降りるとその頭を撫でてやり、低い鳴き声と共に獣が消え去れば溜息をつく。どうせ軍関連の施設なのだから移動魔法は弾かれるだろうと召喚獣の背に乗ってきたが、乗り心地はいまひとつだった]
さて、誰が居るのかな。
[誰が居るかなど、さして興味も無いのに呟く。グランツ士官学校の試験を受けたのは気まぐれだ。軍に入れば将来は安泰だろう――、そう思った日に願書を出した。この合宿に関しても参加を決めたのは今朝のことだった]