― 劫天の間 ―[《天獄の泉》の一角に、その部屋はある。ホールほどの広さをもち、高いドーム状の天井を備えた円形の部屋である。それは魔王のために設えられた、いわば魔王の居室であった。魔王テオグラナーダ・ドールキスタ ──従う魔には気軽に『テオ』と呼ばせている── は、調教の期間中、この場所に座所を定め、魔族が天使を愛でるを楽しみ、戯れにアドバイスを、或いは無理難題を押し付けることだろう。]