[春を匂わせる柔らかなフルートの音色が、静寂を割って響いた。期待を乗せた熱気と交じり合い、ほの高く、ひとつのうねりを作る。毎年変わらない光景。けれど、故にこそ親しまれる四季恒例の祭事]…… 皆様方と共に、此処に祖霊を祀りましょう。[舞殿の中央に座した巫女姫が面差しを上げた。 りぃん。 髪に飾られた、鈴が鳴る]