[大天使は天の子の声を受け、ついと上空を振り仰いだ。 ほそく、銀の輝きが地上から放たれた矢の如くに空駆けあがる。 大天使自身が置いた輝ける防壁の向こう、 留め置いた天使らの一軍は既にそちらへと反応した様子であった。 ────とはいえ、少し距離が遠い。>>5:196 天へ疾駆する銀の輝き、 その速度を思えば、天の軍の駆け戻るよりも早く、 人の子らの船が光の御船の高度へと達するかに思われた。]