― 回想 出航前 ―
[これから、アレにのるのか。
精神修行もかねて放り込まれた航路開拓の船。まだ友人二人がいる場所に放り込まれたのがやさしさだったのだろう。
あんな蒼そうなところの上をしばらく過ごさないといけないのか!
ウルズは生まれてこのかた三本の指に入るピンチを前に船に乗る前から船酔いしたみたいに顔を青くしていた。
今はまだ、大丈夫。陸地だから、陸地だから、陸地だから、陸地だから。]
マリー…マリー!アタシ大丈夫!大丈夫だから!
[涙ぐみながらマリーを今生の別れのようにむぎゅむぎゅとしていた。これでもおねーちゃんには意地があるのです。…いや、これみたらないだろ。と思われていただろう。]