[しかし、代わりに応える力があった。>>2先んじてユーリエに分けた力は己の右腕を媒介にせぬ祝福。風が身を包み、腰を持ち上げさせた。身体はそれでも、重く、脚も縺れかけるが、生かされた命を無駄に使うわけには行かなかった。靴裏が地を踏みしめ、崩れそうになる身体を叱咤する。駆け抜けよ、進め。我が身を生かした全てが、己の背を押した。]