― オプティモ ―
アレイゼル卿、やはり動いたか。
[ 感傷は束の間、男の意識は、為さねばならぬ事へとすぐに引き戻される ]
伝令を。
近隣の領地から兵を集め、オプティモの防衛線を強化する。
王府の軍にも使者を出せ「北のアレイゼル領に不穏の動き有り、不測の事態に備えられたし」とな。
[ アレイゼル卿がどこへ向かって出陣するつもりなのかの情報は届かなかった。
だが、彼がジェフロイ達と会談した可能性を考えると、シュビトへの出兵は考えにくく、まだ小競り合いにしか過ぎない各地の王府と解放軍との争いに自ら乗り出す意味も、意義もない ]