[―――パタン。
『こうして残された皆は幸せに暮らしました、とさ。
めでたしめでたし。いいね、ハッピーエンドで』
書斎で装丁の剥げた絵本を脇に置きながら小さな少年は呟いた。
小奇麗だった衣服はどす黒い染みが大きく広がっている。
『いや僕は好きだよこういう物語。王道ものでハッピーエンド。勧善懲悪。君は?』
言葉を投げた先にはもう一人の男がいた。
足元にはロヴィン"だったモノ"が散乱している。
どうやらまだお食事中のようだ。
『ま、僕は先に失礼するよ。あとは頼む。好きにやってくれ。
・・・いやその前に。やっぱりまだ足りないよな』
そう言ってヒースは相方の方へ歩き出した――]