旅人 ニコラス

[だとすれば、思いつける真実はたった一つ。]

意識不明だったゲルトが、一人で何も言わず出て行ったなんて不自然だ。きっと誰かに連れ出されたんだろう。

僕はゲルトを探す！


[即座に叫んで宿中を探索するも、見つからない。]

宿屋にいないなら、外か？
最悪あいつがどこかで倒れて体をひやしているかもしれない事態に備えて、毛布を持っていこう。

[毛布を小脇に抱えて、宿屋から飛び出した。
だれか一緒についてきたかもしれないが、今は声をかける余裕は失われている。

どこをどう回ったのだろう、散々走り回ってようやく祭壇で友人だった無残な体とペンダントの残骸、そして酸化して黒ずんだ血溜まり>>1:657>>1:658>>1:661だった。]