― 地の神徒の間 ―
[真紅の光に包まれた直後、感じるのはどこかへ移動するような感覚。
大規模かつ精巧な空間転移の術──というのは、術師でなくとも気付けるか。
そうして、跳んだその先は──]
……おい。
どーなってんだ、こりゃ。
[光が消えた後、周囲の風景は一変していた。
霧に包まれていた平原から、幾筋もの小川の流れる草原への変化。
ただ、上を見上げれば石造りと思しき天井が微かに見え、ここが建物の内部である事をうかがわせる。
そして、そんな不可解な空間には、唸りを上げる一角の獣たちの姿があった。
向けられる目は一様に爛々と輝き、明らか敵意の色が見て取れる]