― 宿屋・早朝 ―
[昨夜宿泊した人が多いので、いつもより早く起き出して談話室の暖炉に薪を入れて部屋を温める。
準備をしていると、そこへオットーが降りてきた。]
おはよう、オットー。
[早起きだなと言い掛ける前に、パン屋という職業柄朝は慣れているのかもしれないと思い直した。
今の時間は大抵ゲルトがベッドの中に入っている。だから不在に違和感を覚えることなく、オットーに声をかけた。]
申し訳ないが、朝食作るの手伝って貰えないか?人が増えたから、流石に一人で全部準備するのは大変なんだ。
[了承されると厨房に向かい、朝飯として温かい野菜入りスープとオムレツ、ペーターが昨日持ってきたパンとマルメロのジャムと温かいお茶を用意して談話室に運び、”ご自由にどうぞ。”とメモを残す。]