― 浮遊する群島 岩山 ―[軍馬を駆り、時には幉を引きながら、浮遊する島を進む。幸い喧騒は遠くの獲物に食いついているのか、向こうから聞こえるばかりでこちらは静かだった。水と草があり馬を休ませるに足りる場所までたどり着き、散策をしながら泉の水を掬い口に含む。味に問題はなく、一息つくようにほっと息を落とすと、馬を水場の近くへ促しながら、岩に登った男を下から見上げた。]水は大丈夫そうだ。掬う物があればよかったんだが。[飲むなら手掬いでしか無理そうだと告げて、岩に背を預け休息を取る。]