― 銀星平原・北部 ―
[北へと向かう行程は、途中に異変もなく。
ただ、目的の場所へ近づくにつれて、空気が重たくなるような、そんな心地を味わうものも出ていたかもしれない]
ぁー……これ、面倒なのがいるな。
[そんな中、その所以に気づいていた黒衣の剣士はは、とひとつ息を吐く]
今んとこは、『境界線』の向こうで大人しくしてるよーだが……。
[言いつつ、視線を前へと向ける。
前方にあるのは、平原を横切る澄んだ小川。
それは、人の世界と人ならざるものの世界を区切る『境界線』としての役割を与えられたもの。
川の向こうには霧が立ち込め、そこを忙しなく駆け回る影が幾つか見て取れた]