― 甲板 ―
[甲板は先程までなかったイルミネーションが施されていて、キラキラと眩しかった。はぁ、と吐く息は白く、その白も風によって瞬く間に彼方へと散っていく。
お酒と羽織のお陰で身体は温かいが、どうにも耳が寒くて堪らない、とペタリと下げた。
グラスを持った手も冷えてきて、持ってきたのは失敗だったかと後悔し始めた。
白い耳の少年>>0:153がまだ甲板に居れば、こんなに寒いのに元気だなぁ…と関心するように見つめて、目が合えば小さく頭を下げるだろう]
あー、ちょっと遅かった、か?
[思っていたより陸地は既に遠く、街の灯りが見える程度だった。
まぁでも、これはこれで良い景色だよなと見つめながら、ビールを一口]
そういや、イルミネーションが付いてるってことは、もうツリーはどこかに飾られてるんだろうか…。
[ぽつりと呟いて、寒いから早く飲んでしまおうと、グラスに入った残りを一気に流し込んだ**]