― 『Grow Universe』公式大会会場 ―
……うわぁ。
ここまで、やるんだ……。
[軍施設にほど近い広場に造られた大会会場。
ゲーム空間内を映し出す巨大モニタの設置されたステージの上では、スタッフたちが最終調整のために走り回っている]
てか、見間違いじゃなきゃさ。
見覚えあるひと、けっこーいない?
[問いが向くのは、肩の上の茶色いもふ――今回の大会に『マスコット』として参加する事となった疑似生体ユニット、電脳兎のブラオン・ラヴィ]
『特務の技術スタッフが、バックアップに来てるのだわ。
……志願者が大半だ、って、『Meister』はおっしゃっていたのだわ』
……なんか、わかった。
[どうりで見覚えあるのが多いわけだ、と思いつつ、茶兎をぽふりともふる。
ここに至るまで、できる限り気持ちを落ち着けようと努めてきたはずなのに、やっぱりどうにも落ち着かなくて]