[かつてナミュールの地に建国した姫王を尊び、かつ
力を合わせ王府を築いた祖先の民を讃える祭りが、
首都ブラバンドにて四季毎に行われていた。
春は風花祭。
厳しい冬が明けた後、色とりどりの花で賑わう暖かな気候の中で
行われる祝祭とあって、一際盛り上がる四季祭だ。
いつもはドルマール神殿に勤める巫女姫も、
此の時期は宝珠を伴い、しばらく首都に滞在する。
姫王の生まれ変わりとされる巫女姫の姿を拝まんとする者、
祝祭の賑わいを楽しむ者、
機を逃さず商売に精を出す者、
種類は様々だが――首都に人が多く集まる時節なのは間違いない。
関心も警護も。
国全体の意識が、祝祭に向く]