―林― …はぁっ![緑茂る林の中、適当な大木を見つけては勢いよくそこに銀のナイフを走らせる。その度に幹が飛び散り、横一直線に深く傷がつく。] はぁはぁ、今日はこの辺でいいか。[全身から汗を滴らせながら動きを止めると、ナイフを腰に携帯しているシースに納める。] さて、お墓参りに行こう…。[そう呟くと、岬のほうへ歩を進めた。人狼騒動の噂を聞きつけて以来、男は毎日林に来てこのようなことをしてから墓参りに行っている。もはや日課になっていた。]