─宿屋・談話室─
[例の如く、起きてから談話室へ行くとシモンがいて、朝食の準備を手伝った>>0]
[多くの人の息吹が絶えて、宿屋は広くなったことを誇張するかのように静けさを搾り出す。
エルナは、ニコラスと違って捜されたのならば簡単に見つけられるだろう。外傷も頸椎を除けば殆ど無いはずだ。
エルナのことは、喰らわなかった。“渇”きが知らずの内に癒えてしまった。遂に己からは、“渇”きすらも失われてしまったのかと、他人事のように考える。ただ──]
──呪いだけは、癒えることなく、鎖のように外れない。
[この呪いだけが己をこの世に留めている。命の価値などはじめから知らず、己の命と他人の命の区別すら付かない。そんな己に、自己と他人の命の区別をつけさせるものがあるのなら、それはその呪いのみ。]
──正直、人狼探しとかどうでも良い。
[昨日、シモンが問いかけようとしたであろう質問>>5:77の答えを、心の中で呟く。もし、改めて問われることがあるのなら、やはり此方はこう答えるのだろうと。**]