私の目にもふたりは生徒にしか見えない。
だが、サシャ君は?
私はサシャ君を新聞部員ではないかと疑っている。
だから、サシャ君停学と引き換えに、明日、エレオノ―レ君かリーゼロッテ君のどちらかを誘拐させてもらいたい。
誘拐なしが起きれば覚醒確定。
犯人側にもまだ勝ち目は少しある。
起きなければ負け確定。
その勝負をしてもらいたいんだ。
そして、覚醒したほうは全力で陣営勝利のため頑張ってほしい。
そのための心構えを、1日かけてしておいてほしい。
仲間の色を見せるのには、正直、抵抗があった。
しかし、ブラフではないことを証明するため、あえてウェルシュ君を残した。
誠意という表現は変だが、私の本気度を汲んでもらえれば嬉しい。