― オプティモ・避難所 ―
[重傷を負った風の民の若者は、医者の居る避難所ともなっている建物へと運び込まれた]
「…こりゃあ、助かるかどうかの保証はせんぞ」
[難しい顔で言いながらも、自ら志願して避難所に詰めていたベテラン医師は、迅速に治療を開始する。
ルディにとって幸いだったのは、この医師がすでにシメオン等の指導により、弾丸の傷に対する適切な手当の基本を学んでいたことだろう]
「あれ?この猿…?」
[若者の服にしがみつくようにしていた白い猿に気付いた私兵が手を伸ばすが、猿はきいい!と威嚇してその手を拒む]
「うわ、引っ掻かれた!いてえ…」
「ばーか、不用意に手を出すからだ。ほっとけよ」
「でもこのまんまじゃ、餌もやれないぜ」